肩甲骨はがし
-
肩甲骨はがしとは?
肩甲骨はがしとは、肩甲骨の持つ役割と働きをスムーズに行えるようにする治療になります。
肩甲骨は、二等辺三角形を逆さにした様な形をした骨で、肩と腕をつなぐ役割をしています。主な働きは6つあります。①肩甲骨を体の内側・外側に向かう動きを内転と外転②肩を上げたり下げたりする挙上と下制③肩甲骨の関節面を上に向けたり、下に向けたりする上方回旋と下方回旋があります。このように肩甲骨は、制限なく自由に動く働きがあります。
内転(背中を閉じる 肩甲骨を寄せる)には大小菱形筋・僧帽筋中部
外転(背中を開く 肩甲骨同士を離す)には前鋸筋
挙上には肩甲挙筋・僧帽筋上部
下制には僧帽筋下部
上方回旋(腕を上げる)には僧帽筋上部・中部・下部・前鋸筋
下方回旋(腕を下げる)には大小菱形筋が働くためこれらの筋肉のストレッチを行う治療になります。 -
肩甲骨まわりが固くなる原因とリスク
肩甲骨が固くなる原因としては肩甲骨は、鎖骨とつながっているだけで浮いているような状態の骨です。制限なく自由に動く働きによって、肩と腕をつなぐ役割をしています。デスクワークや家事などで、現代人の肩甲骨は体の前側の大きな筋肉によって引っ張られてしまい開いてしまいます。これにより、肩が内側に巻いてしまう内方肩の状態になり、肩甲骨自体は外転の状態になりやすい状況にあります。このような内方肩で肩甲骨の外転の状態が続いてしまうと本来可動域の大きい肩甲骨の動きが小さくなり、周囲の筋肉が血行不良に陥った状態を「さびつき肩甲骨」と呼んでいます。
さびつき肩甲骨になると、僧帽筋・肩甲挙筋といった肩甲骨周りの筋肉も体の外側へ引っ張られたまま動かなくなり、血行不良に陥ります。その状態でさらに筋肉の緊張が続くと筋肉内に乳酸がたまり、発痛物質が出現し肩や背中のこりの原因になってしまいます。 -
肩甲骨はがしをするメリットとは?
肩甲骨はがしをするメリットとしては、姿勢やスタイルへいい影響を及ぼします。肩甲骨が腕の外側に開くために体全体が前のめりのいわゆる猫背姿勢の状態になります。猫背の状態になると、見た目の姿勢が悪くなるだけでなく、バストのトップが下がる・下腹部がぽっこり出る・おしりが垂れるなどの体のたるみの原因になります。さらには、肩甲骨が開いた状態の影響で胸郭の部分(胸部の骨格)が下に下がるためにそれにともなって、顔のあごの部分にあたる広頚筋も下に引っ張られてしまい、顔のたるみが助長されます。さびつき肩甲骨は体だけでなく顔にもたるみを及ぼします。
また、肩甲骨周りの筋肉をストレッチして行くため 肩周りの固まった筋肉がほぐれることにより血流が良くなり肩こりや首周りのコリが軽減しやすくなります。
自分でできる肩甲骨はがし
自分でできる肩甲骨はがしのやり方については、いくつかありますが1つ目はは、背筋を真っ直ぐにして立ってもらい、肘を90度に曲げて脇腹にピッタリつけてもらってそのまま手のひらを内側に向けた状態で肘を開いたり閉じたりする運動を10回繰り返すのを3セット程度行ってください。2つ目はは、タオルの両端を肩幅の長さに持ちます。その後、背筋を伸ばして真っ直ぐ立ってもらい、タオルを持った手を真っ直ぐ上に持ち上げます。そのままの状態でタオルを持った手を背中側に下ろす運動を10回程度3セット繰り返し行ってください。
3つ目は体の右側を下にして横向きに寝て左ひざを直角に曲げ、前の床に下ろし、腕は肩の位置でまっすぐ伸ばし両手を重ね、左手を上に上げ胸を開くように円を書くように回します。
当院の肩甲骨はがしとは?
当院で行っている肩甲骨はがしとは、肩甲骨まわりの凝り固まってしまった筋肉に対して施術を行って行きます。
施術時間としては約5分程度で、肩甲挙筋・小菱形筋・大菱形筋・大円筋・小円筋・棘下筋・広背筋・肩甲下筋・僧帽筋に対して肩甲骨をはがすようにアプローチしていきます。肩甲骨はがしときくとバキバキと音が鳴ってかなり痛いんだろうなというイメージをお持ちの方も少なからずいらっしゃるかと思いますが、当院で行なっています肩甲骨はがしとは肩甲骨に対するストレッチの延長線上の施術をしておりますため、初めての方でも挑戦しやすいものとなっております。主に頚・肩・背部のハリの強い方、長時間デスクワークの方、矯正治療・猫背矯正の治療を受けている方にオススメです。